相続財産から控除していくことができる「債務控除」のうち、
「葬式費用」の範囲についてご紹介します。
「葬式費用」として相続財産から控除する事が認められているものは、
・葬式で葬儀会社に支払った費用 (香典返礼費用は除く)
・葬儀に関連して、お手伝いをしてくれた人へ支払った「心づけ」
・お坊さんへ支払った「お布施代」「読経料」
などがあります。
心づけは、社会通念上からして相当額
相続税の負担を減らしたい一心で、
「 葬儀の受け付けを手伝ってもらった親戚の子供に「心づけ」で100万円支払った 」
などとしても、さすがにこれは「債務控除」としては認められません。
認められる範囲としては「社会通念上からして相当額」という線引きがあるので、
「心づけ」で100万円もの金額は社会通念からすれば高額すぎるため認められません。
相場としては2千円~5千円であれば、社会通念からも逸脱しない金額のため、認められる範囲かと思います。
証拠を残しておきましょう
もし「心づけ」をお支払いされて、それを「債務控除」として計上していく場合には、
「支払った相手の氏名」「支払った金額」「日付け」などを手書きのメモでも結構ですので、
しっかり支払った証拠として残しておきましょう。
領収書等がない場合もあるようですが・・・
次に、お寺のお坊さんへの「お布施代」「読経料」などについては、そのお寺ごとの慣習、宗派による慣習などもあり、ケースによっては領収証がもらえないお寺もあります。
最近は世相を鑑みてか、余程のケースでないと領収証の発行を渋るお寺は少なくなったかと思いますが、
もし領収証の発行が出来なかったケースでは、上記と同様、
「お寺の名称」「支払った金額」「日付け」などのメモをしっかりと残しておき、
それを領収証代わりとしてご活用ください。
証拠保管、備忘録、メモなどで、忘れないように
この「債務控除」のうち「葬式費用」については、親族がお亡くなりになった後のバタバタが続く中での
葬儀執行の最中に発生するものであるため、内容を覚えていない、資料を紛失した、などのケースが散見されます。
相続税申告において「使う・使わない」のご判断は後回しでも結構ですので、
まずは領収証などの資料の保管、メモ書き等での証拠保管などを心掛け下さい。