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ホーム » お役立ち情報ブログ » 相続税 » #00008 相続人に養子がいる場合 ②

お役立ち情報ブログ

2019.3.19

#00008 相続人に養子がいる場合 ②

Q.亡くなった人(被相続人 例:父)に、配偶者(母)、子A(実子)と、
  養子B、Cが2人いたとします。
  この場合の相続はどうなるのでしょうか?

A.養子も法律上は、養親の子であるため、実子と同じように
  法定相続人となります。
  法定相続分は、次のようになります。
  ・配偶者(母) ・・・ 1/2
  ・A(実子) ・・・ 1/2×1/3=1/6
  ・B(養子) ・・・ 1/2×1/3=1/6
  ・C(養子) ・・・ 1/2×1/3=1/6

 ただし、相続税法上では注意しなければならないことがあります。

相続税法上の養子は、制限があります。
相続税を計算する過程で、法定相続人の数が影響してくるものがあります。

基礎控除、生命保険、死亡退職金の非課税限度額を計算する際に、法定相続人の数が使われます。

基礎控除は、3,000万円+500万円×法定相続人の数となります。
生命保険、死亡退職金の非課税限度額は、それぞれ500万円×法定相続人の数で計算されます。

つまり、法定相続人の数が多ければ多いほど、控除、非課税限度額が多くなるということです。
相続税の節税方法の一つに、養子縁組が有効ということを聞かれたことがあるかと思いますが、
このような仕組みのためです。
そのため、相続税法では、養子の数に上限を設けられています。

◆ 相続税法上の養子の数の上限

 
 ・実子がいる場合は、養子は1人まで。
 ・実子がいない場合は、養子は2人まで。

B、Cがともに、普通養子縁組であれば、実子がいる場合となるため、
養子は1人までとなります。
そのため、法定相続人は、母、A(実子)と養子1名の合計3名となります。
B、Cが、いずれか、もしくは両方が特別養子縁組であれば、
法定相続人は、配偶者、A、B、Cの4人が法定相続人となります。

◆ 再婚相手の連れ子を養子縁組している場合

例えば、被相続人(父)と配偶者(母)とは再婚で、配偶者の実子であるB、Cを、再婚時などに養子としていた場合は、B、Cは、父の実子とされます。
この場合、普通養子縁組での養子であっても実子とするということになっています。
※B、Cは、被相続人(父)と養子縁組をしていなければ、父と母が婚姻関係していたとしても、
 いくら仲良く同居して実の親子同然に生活をしていたとしても、
 親子関係がないことになり、法定相続人にはなれません。
 遺言がなければ、連れ子には財産を相続することはできないということになります。

◆  子の配偶者を養子にしていた場合

ややこしくなってしまうかもしれませんが・・・、
例えば、父は、献身的に身の回りの世話であったり、介護してくれたからとして、
Aの配偶者であるCを、養子にしているというケースもあるかと思います。
この場合は、BもC、どちらも普通養子縁組であれば、
法定相続人は、母、A(実子)と養子1名の合計3名となります。

◆ 実子の定義について 特別養子縁組など取扱い

前項でいくつか触れてきましたが、相続税法上での実子の定義のまとめです。
以下のようになっており、いずれかに当てはまる場合は、実子として法定相続人の数に含まれます。

 ・被相続人との特別養子縁組により、被相続人の養子となっている人
 ・被相続人の配偶者の実の子で、被相続人の養子となっている人
 ・被相続人と配偶者の結婚前に特別養子縁組によりその配偶者の養子となっていた人で、
  被相続人と配偶者の結婚後に被相続人の養子となった人
 ・被相続人の実の子、養子又は直系卑属が既に死亡しているか、相続権を失ったため、
  その子などに代わって相続人となった直系卑属。なお、直系卑属とは子や孫のことです。

国税庁 タックスアンサー 【 No.4170 相続人の中に養子がいるとき 】https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4170.htm

◆ 養子である相続人の子への代襲相続はあるのか??

相続人が亡くなっている場合には、代襲相続というルールがあります。
それが養子である場合にはどのようになるのでしょうか?
冒頭の例、Bにその子であるDがいたとします。先にBが亡くなっていた場合、Dは代襲相続できるのでしょうか?
それは、子Dが生まれたと、父と養子Bとの養子縁組のどちらが先だったかによって変わってきます。
父とBとの養子縁組した時点で、すでに子Dが生まれていたのであれば、代襲相続できません。

父とBが養子縁組した後に、子Dが生まれているのであれば、代襲相続できます。
代襲相続となるのは、被相続人の直系卑属です。
養子縁組時にすでに生まれている子は、直系卑属とはなりませんが、
養子縁組の後に生まれた場合は、直系卑属となります。

◆ まとめ

相続税の節税のために、養子縁組を行ってしまうと、思わぬトラブルとなるかもしれません。
養子縁組で、相続人を増やす=必ず相続税が安くなるわけではないという点も注意が必要です。
相続税もともとの法定相続人からすれば、法定相続人が1人でも増えれば、取り分が減ることになるので、相続トラブルになる可能性もあります。

養子縁組を行う際は、事前に法定相続人などご家族に了承していただくなど慎重に進めていただく必要がありますので、ご注意下さい。
くれぐれも安易に行ったり、他の法定相続人や家族に内緒で行うことのないようにして下さい。